どこで遮熱をするか|対策できる位置は3ヶ所
“室内を涼しくするため、太陽の光をやわらかくする”
このことを「窓の遮熱対策」と呼んでいます。
窓の遮熱対策を考えたときに、窓の周りで対策できる位置は3ヶ所あります。
- 窓ガラスより外側で太陽光を抑えるのか
- 窓ガラスそのもので太陽光を抑えるのか
- 窓ガラスより内側で太陽光を抑えるのか
この3ヶ所のいずれかで太陽の光をはじき返すことになります。
窓ガラスより室外側で遮熱をするのであれば、
よしず、ひさし、エコ雨戸、ブラインドシャッターの取り付けになります。
→窓の外側で遮熱する方法|シャッター、エコ雨戸などで遮熱
窓ガラスそのもので遮熱するのであれば、
遮熱系に優れているフィルムを貼るか、
遮熱に強いエコガラスなどに交換することになります。
→窓ガラスで遮熱する方法
窓ガラスより室内側で遮熱をするのであれば、
遮熱ガラスを組み込んだ内窓、ブラインドの取り付けになります。
→窓の内側で遮熱する方法 |内窓で遮熱
室外側で遮熱対策|窓の外側で遮熱をする
窓の外側で太陽光をはじいて遮熱をする、1番の利点は、最も効果を発揮しやすいことです。
一にも、二にも、
とにかく遮熱にだけ特化して効果を最大限発揮したいのであれば、
窓の外側で遮熱をするのが一番お勧めです。
ですが、
「遮熱も大事だけども、防音もこの機会に同時に効果を発揮させたい」
「冬の暖房効果も上げたい」
「遮熱は重要だけど、防音対策の方が優先したい」
という他の対策が目的であれば、お勧めはできません。
製品の品ぞろえも値段も、本当にピンきりです。
よしず
安く済ませようと思えば、
ホームセンターなどで売られているよしずなどがあります。
よしずは安くてお手軽でとても効果的です。
なにより遮熱したい時期だけ設置して、
逆に太陽の光を取り込みたい時期は撤去できるのがメリットです。
欠点でいえば、暑さの原因である赤外線だけでなく、
可視光線も遮りますので、部屋が少し暗くなってしまいます。
意外にかさばるので使わない時の収納も面倒です。
今、雨戸がついている窓でしたら、
雨戸のパネルをブラインドの付いたエコ雨戸、
いゆる通風雨戸に交換することもできます。
雨戸も何もない窓でしたら、お値段は一番高くになりますが、
通風系の電動シャッターをつけることもできます。
電動シャッター
この方法ですと、すだれなどと違って防犯効果も発揮しながら、
外の涼しい風を室内に取りこめるなどの利点もあります。
最初にもお話しをさせていただきましたが、
窓のすぐ外側で遮熱をするのは一番適したやり方です。
ですが、遮熱以外にはメリットがないのが欠点です。
例えば、防音や断熱などの他の対策が目的であればオススメはできません。
とにかく遮熱が最重要でしたら、
窓の外側で遮熱するのが一番効果的でお勧めできる方法です。
窓の外側で遮熱する方法のそれぞれの製品の
良い点・悪い点を解説していきます。
→窓の外側で遮熱する方法|シャッター、エコ雨戸などで遮熱
窓ガラスで遮熱対策|窓ガラス自体で遮熱をする
窓ガラス自体で遮熱をする利点は、
部屋の雰囲気を変えることなく、お手軽なリフォームでできることです。
通風シャッターや内窓の設置ですと見た目の圧迫感が出たり、
工事もより本格的になったりすることもあります。
暑さの原因である近赤外線だけを集中的にはじき返して、
部屋の明るさに関わる可視光線はそのまま取り込むことができます。
部屋が暗くなりにくいのもお勧めの点です。
暑さの原因になる赤外線を大幅にカット
マンションにお住みの場合は、共有区分、専有区分というのがあります。
これは何のことかと申しますと、
窓ガラスより外側はマンションの共有区分になるため、
雨戸やシャッターを自由に設置することができないのです。
その点、ガラス交換はまず許可が降りますので、
原則的には専有区分として考えられます。
窓工房が今まで施工させていただいたマンションでは、
ガラス交換の許可が降りなかったのは1%以下だと思います。
このように、マンションでもお手軽に対策しやすいという
利点もあるのです。
窓ガラス自体で遮熱することの欠点は、
季節や時間帯に応じて、陽射しをコントロールできないことです。
例えば、8月の一番暑い時間帯に
部屋が暗くなってもいいからできる限り遮熱したいと思っても、
通風シャッターのように室内に入る陽射しのコントロールはできません。
また冬であっても、同じように遮熱しますので、
冬は今よりも寒くなってしまいます。
夏は涼しいけれど、冬は今より寒くなってしまう・・・
ただし、ガラス自体で遮熱をするには限界があります。
どれだけ性能のいい遮熱ガラスを選んだとしても、
窓の外側で遮熱をする通風シャッターに比べれば
性能は落ちると考えられます。
製品としては、遮熱タイプのエコガラスをお勧めしていますが、
安く済ませたければ遮熱フィルムを貼るのも一つの方法です。
それでは、窓ガラス自体で遮熱する方法の
製品の良い点・悪い点を解説していきます。
→窓ガラスで遮熱する方法
室内側で遮熱対策|窓の内側で遮熱をする
遮熱対策としては、効果が発揮されにくく、
最もお勧めできない方法になります。
ですが、「防音対策も兼ねながら、断熱化したい」などと
何か他の目的と併用をご希望の場合に提案することが多いです。
お勧めできない理由は、
内窓に遮熱ガラスを入れて、太陽の熱をはじいてしまうと、
今ある窓と新しく取り付けた内窓にはさまれた空間に
熱が溜まってしまうからです。
その熱によって、今ある窓のガラスが熱割れ起こしたり、
室内に熱が攻めてきたりしますので、エコにもなりません。
また、多くの内窓サッシは樹脂でできていますので、
樹脂の色あせや劣化にもつながります。
しかし、遮熱対策だけでなく、防音対策も叶えたい場合であれば、
遮熱ガラスを入れた内窓の設置はお勧めです。
→窓の内側で遮熱する方法 |内窓で遮熱
もし予算に余裕があるのであれば、
窓の外側に通風面格子を取り付けて、外側からも遮熱をし、
室内側では、防音ガラスを入れた内窓の設置もご提案させていただきます。
このように窓の外側と内側の
両方で組み合わせて対策することもできます。
「どこで遮熱対策をするか」のまとめ
室内を涼しくするため、太陽の光を柔らかくすることが遮熱対策という。
窓周りで遮熱対策ができる位置は、次の3ヶ所がある。
→窓の外側で遮熱する方法|シャッター、エコ雨戸などで遮熱
→窓ガラスで遮熱する方法
→窓の内側で遮熱する方法 |内窓で遮熱